私立探偵濱マイクシリーズ

私立探偵 濱マイク

日本では、その仕事ひとつだけで生活していくのは難しい、と思われるのが私立探偵業です。

海外の探偵小説では、女性であっても難事件に取り組むという物語もありますが、日本では会社組織になっていて企業が雇っている社員としての探偵のほうが多いです。

日本で単独行動の私立探偵をリアルに描こうとすれば、私立探偵業だけでなく便利屋のようなことをしていないと、収入の面で成り立っていかないかもしれません。

日常のトラブルを解決する仕事がむしろ通常業務になっていて、正式な私立探偵業としては数少ない、珍しい出来事だったりします。そういった意味では東直己の原作小説を映画化して大泉洋が主演した「探偵はBARにいる」はリアルなほうといえるでしょう。

日本の私立探偵を描いた映画で、カルト的な人気を持っているのが、1994年から1996年にかけて製作・公開された「私立探偵濱マイクシリーズ」です。林海象監督と永瀬正敏主演のコンビで三作目まで作られました。

濱マイクの元ネタ

「濱マイク」という名前の元ネタは、たぶん「マイク・ハマー」です。これは、アメリカの作家、ミッキー・スピレーンが1947年に発表したデビュー作で、ハードボイルド探偵小説「裁くのは俺だ」から始まるシリーズの、主人公である私立探偵の名前、マイク・ハマーからの引用でしょう。

日本での人気や知名度は、同じハードボイルド探偵小説のフィリップ・マーロウやサム・スペードと比べて、さほど感じられませんが、アメリカではワイルドな魅力が支持されたせいか、シリーズ八作品が大人気で何度も映画化やドラマ化されているほどです。

濱マイクの作品について

「私立探偵 濱マイクシリーズ」の一作目は「我が人生最悪の時」です。出演は永瀬正敏、南原清隆、佐野史郎、杉本哲太、宍戸錠などです。

横浜の黄金町にある映画館、横浜日劇の二階に探偵事務所を構えるのが私立探偵の濱マイク(永瀬正敏)。依頼されて引き受ければ、浮気調査・素行調査・尾行調査・不倫調査など、何事にもこだわらず取り組みます。

マイクは雀荘で知り合った台湾人青年の楊の依頼により、日本にいる兄の捜索を始めます。しかし、その兄はアジア系外国人新興組織の一員であり、次第にマイクは組織と台湾マフィアとの抗争に巻きこまれていく、という物語です。

全編モノクロシネスコで描く、林海象監督ならではのスタイリッシュな映像が特徴的です。現代アジアの活気を横浜へ持ち込んだような、アジアンテイストの演出タッチで独特な世界観を構築していく林海象監督の手腕が冴えています。

マイクの友人でタクシー運転手役の南原清隆を始め、出演者たちも個性的で豪華で登場してくるだけで楽しめます。さらに、往年の日活無国籍アクション映画へのオマージュも盛り込んでいます。

無国籍アクション映画でおなじみの宍戸錠がマイクの恩人「エースのジョー」役で特別出演しているのです。ちなみに二作目は「遥かな時代の階段を」、三作目は「罠」です。

この映画から後にテレビシリーズのドラマにもなりましたが、こちらはマイク以外のキャスティングと設定を一新し、さらに各エピソードごとに全て異なる映像作家が監督を務めました。各話の繋がりがないことが特徴になっています。

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