探偵小説の歴史
エンターテインメントの要素が一杯詰まった娯楽小説の大部分を占めるのがミステリーであり、その推理小説の中でも事件の解決に向けて探偵が活躍するという内容が特徴の探偵小説は今から百年以上前に初めて世に現れたものです。
その頃からこのジャンルは多大な人気を得て、今日まで幅広い探偵のバリエーションが生まれて読者を楽しませて続けています。
その探偵小説の系譜として有名なものをあげていけば、エドガー・アラン・ポーの「モルグ街の殺人」に登場したオーギュスト・デュパンを創始として、コナン・ドイルのシャーロック・ホームズ、アガサ・クリスティーのエルキュール・ポアロやミス・マープル、チェスタトンのブラウン神父、アメリカのハードボイルドでダシール・ハメットのサム・スペード、レイモンド・チャンドラーのフィリップ・マーロウなどなど、枚挙に暇がないほどです。
日本では、江戸川乱歩の明智小五郎、横溝正史の金田一耕介が有名です。現在活躍中の作家の作品なら、赤川次郎の四姉妹探偵団や内田康夫の浅見光彦も含まれるでしょう。
活字だけでなく、日本で独自に発展してきたマンガにおいても、「金田一少年の事件簿」、「名探偵コナン」という本格的なミステリーマンガがあります。
どれもシリーズとしていくつもの作品があり、これらの原作を元にドラマ化や映画化などの映像化をされていて、小説とは違う楽しみ方もできるようになっています。
現実とは異なる探偵
リアルな探偵像としては探偵事務所にいて、素行調査や浮気調査、尾行調査や不倫調査、そして携帯電話調査まで行うのが現代的なのでしょうけど、日本の探偵小説では殺人がらみの謎を解き明かすことに特化して描いているのが特徴です。
やはりリアルな日本の探偵をモデルにした探偵小説は、余りにも地味すぎて人気がでないのかもしれません。
要するにエンタメ性に欠けているのですが、探偵は調べるという仕事が重要なのでエンタメに欠けるのは当然と言えば当然でもあるのです。
もし、小説や映画の世界の探偵に憧れて実際に探偵になってみた方は、そのギャップに驚いてしまうかもしれません。
現実の探偵の私生活や業務は、お世辞にも映画のような非日常な世界を味わうことは無いと言えるでしょう。ドラマチックな仕事を期待している方には残念なお知らせかもしれません。
但し、世の中を知るということに関しては良い勉強になる可能性はあります。世間には非常に多くのトラブルが起こっていて、探偵の仕事ではそれらを知ることができるからです。
ただし、人間として知らなくても良いような醜い部分も知ることも往々にして・・・非常識な現実に直面しているため人間不信に陥ってしまう探偵も少なくないと聞きます。
特に異性に関して男性探偵は女性不信、女性探偵は男性不信に陥ることが多いみたいですね。
やはり不倫を始めとした男女トラブルを多く目にするからなのでしょうか。