ススキノ探偵シリーズ

依頼人から探偵に対して頼まれた、さまざまな調査活動によってわかったことや起きた出来事を描くことが、本来の探偵小説と思えます。

海外では、すでに女性も専業の探偵として活躍しています。ところが日本では、古くは江戸川乱歩の明智小五郎、横溝正史の金田一耕介が専業の探偵として有名ですが、現在の探偵小説では、専業の探偵が主人公となって謎を解いていくケースはとても少ないように見受けられます。

本業としての仕事をきちんと持っているけれど、片手間に何らかの形で事件に関わりを持ち、解決へと導くというパターンが多いようです。そういった意味では日本では例外的なジャンルになりますが、探偵専業として主人公が活躍しているシリーズがあります。

よく知られているのは東直己がデビュー作として書き、1992年に早川書房から出版された、日本のハードボイルド・ミステリーの「探偵はBARにいる」から始まるススキノ探偵シリーズです。

主人公の私立探偵は、氏名を名乗ることも名前を呼ばれることもなく物語が進んでいきます。

すべて<俺>の一人称で書かれているのが特徴のひとつです。主人公で語り手の<俺>は、ススキノのバー「ケラー・オオハタ」を探偵事務所代わりにして、依頼人からの仕事の依頼や連絡を店の黒電話で受けている探偵兼便利屋です。

興信所まがいのことから尾行調査・浮気調査・素行調査・不倫調査など、必要に応じて何でも引き受ける気概を持っています。

客が支払わないツケの回収など、便利屋としてススキノで起きる小さなもめ事の解決に手を貸したり、トランプ博打で日銭を稼ぐのが日常ですが、探偵としては、北海道大学の学生、原田誠から行方不明になった恋人を探してほしいという依頼が舞い込んで、調査に乗り出すことになります。

シリーズの原作の二冊がそれぞれ映画化されています。しかし、この一作目は映画にならず、2011年9月10日に映画公開された「探偵はBARにいる」は二作目の「バーにかかってきた電話」が原作です。

私立探偵の<俺>を演じているのは大泉洋で、探偵助手で北海道大学の大学院生で空手の使い手の高田を演じているのは松田龍平です。大泉洋のどこか飄々としていながらも、依頼には真剣に挑むメリハリのある演技がとても印象に残っています。

映画二作目の「探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点」は2013年5月11日に公開されました。原作はススキノ探偵シリーズ五作目の「探偵はひとりぼっち」です。映画二作目の公開後、映画三作目の制作予定が発表されています。(2017年冬に公開予定)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする