二階堂蘭子シリーズ

江戸川乱歩の明智小五郎から始まる日本の名探偵たちのバリエーションは多岐に渡っていて、枚挙に暇がないほどです。

日本の探偵小説の特徴のひとつに未成年なのに名探偵、という要素があります。すぐに思い浮かぶのは「金田一少年の事件簿」や「名探偵コナン」でしょう。

このように主人公の探偵が低年齢化していることは、すでに多くの人に知られていて、今では違和感なく受け入れられていることでもあります。

そうした学生なのに名探偵という条件が三つのシリーズのうち、ふたつに当てはまっているのが二階堂黎人(にかいどう れいと)の探偵小説です。

ひとつはボクちゃん探偵シリーズです。主人公は幼稚園児なのに、ハードボイルド調の語り口なのがユニークです。

もうひとつは大学生編と社会人編がある水乃サトルシリーズです。長身ですごいイケメンなので見ているだけならいい男ですが、周囲から変人の烙印を押されています。キャラクターが特異で、多すぎる趣味やマニアックな部分や奇行が異様だからです。このふたつはいわば変化球のようなものです。

これらと比べると、二階堂蘭子シリーズは直球で正統派の推理小説です。

二階堂黎人は1990年に「吸血の家」が第1回鮎川哲也賞の佳作入選します。二階堂蘭子シリーズの第1作目「地獄の奇術師」で1992年8月に作家デビューしました。

作品の時代設定は昭和40年代ですが江戸川乱歩の長編を髣髴とさせる復古調の探偵小説的な作風です。オカルトや怪奇色などを色濃く盛り込んでいて、ジョン・ディクスン・カーや横溝正史を思い起こさせる世界観も独特です。懐かしさと怖いもの見たさが混ざるような気分になるのも魅力的です。

二階堂蘭子のプロフィールは、身長約165センチで1949年7月19日生まれ。

「映画女優を思わせる豊かな巻き毛。滑らかな輪郭を持つ顔立ち。猫の目のような黒い瞳」という記述が印象的です。表立って探偵事務所を構えているわけではありませんが、素行調査や尾行調査をしたり、事件によっては浮気調査や不倫調査よりも驚く調査結果が明らかになることもあります。

事件の記述者となっている二階堂黎人は蘭子の義兄です。「人狼城の恐怖」は世界最長の推理小説の記録を持っています。

二階堂蘭子シリーズの長編は

「地獄の奇術師」「吸血の家」「聖アウスラ修道院の惨劇」「悪霊の館」「人狼城の恐怖(第一部・ドイツ編、第二部・フランス編、第三部・探偵編、第四部・解決編)」「悪魔のラビリンス」「魔術王事件」「双面獣事件」「覇王の死 二階堂蘭子の帰還」

短編は

「ユリ迷宮」(収録作は、ロシア館の謎、劇薬、密室のユリ)「バラ迷宮」(収録作は、サーカスの怪人、変装の家、喰顔鬼、ある蒐集家の殺人、火炎の魔、薔薇の家の殺人)「ラン迷宮」(収録作は、泥具根博士の悪夢、蘭の家の殺人、青い魔物)

があります。

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