私立探偵

「私立探偵」という単語から想像すると、難解な事件を解決する名探偵が頭のなかに浮かびます。

昔なら『シャーロック・ホームズ』や『明智小五郎』などの威厳を持った名探偵がいましたが、現在ですと名探偵コナンや「爺っちゃんの名にかけて!」の金田一少年など子供が名探偵として主人公になっているようです。

でも実際に私立探偵として探偵事務所を開設するには、警察の上にある公安委員会に届け出を出さなければならず、社会的責任を果たすために成年(満20歳以上)でなければならないでしょうから、有料の探偵事務所を開設することはできないことになります。

そもそも小説やアニメに出てくる探偵は、推理を働かせて犯人をみつけ解決するのが仕事で、腕力を使った逮捕などは行わず読者の推理と違う結末に得心させられる楽しさがあるわけです。

ところが最近では少年探偵の運動靴にパワーを伝える「秘密兵器」を持たせ、犯人を倒すという「善人は栄え、悪人は滅ぶ」の禁じ手を使っています。

推理小説は相手を完膚なきまでに倒すことが目的ではなく、事件に隠された背景や人物の動向に注視し、そこから推理を立てて頭の中で答えを導いていくところに楽しさがあるわけです。

ですから探偵事務所の内で事件が解決できるものが、探偵を題材にするものとしては一級品だと思うわけです。

どうして探偵が暴力的な解決をするようになったのかと考えると、ひとつには海外の人気小説にあります。

米国などでは拳銃の携帯許可を受けて警察官さながらに打ち合うことができるため、小説なども亜種が発生したのでしょう。

日本ではグッズを使いながら事件解決をした『少年探偵団』に魅せられた世代が、雑誌の編集長になって二次創作のような形で出てきてヒットしました。

また、バイオレンスに飢えた世代が好んだ松田優作主演の『探偵物語』のようなTVドラマの影響によって、事件を解決するためにはダーティな部分は了とする合意が双方にできてしまったことになります。

このような小説やアニメ、TVドラマで探偵に慣れ親しんだ世代は「探偵に頼むほどでは…」と思うことも少なくないとか。

でも実際の私立探偵の仕事は、浮気調査や素行調査などのどこにでもある人間関係を調査する案件が多いのです。

難事件などを持ち込むことなどほぼ無いのですが、なかには忽然と行方が分らなくなった家族を探してほしいと言うものや、最近ではインターネット犯罪やネット上で知り合って騙された相手を特定してほしいなどの依頼も探偵事務所に来るようになっています。

難事件を解決した名探偵は空想の世界の人たちであって、実際には職人のように短時間で目的の情報を掴むことが私立探偵の仕事となっているのです。

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